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錯覚の現象数理学

 錯覚は、人の認識のさまざまな場面で観察される。視覚における錯覚がもっともなじみ深く、 その種類もたくさん見つかっている。しかし、視覚に限らず、聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五感の すべてにおいて錯覚現象は生じる。さらに、コミュニケーションや経済行動などの知的判断を 必要とする場面でも、誤解や勘違いなど、錯覚と解釈できる現象がたくさん観察される。
 本プロジェクトでは、これらの錯覚現象を広く横断的に眺めることによって、その背景に ある共通の錯覚生成の仕組みを探ると同時に、それを生活の安全性や快適性を高めるために 応用する。応用には、錯角の生じにくい環境を整えることによって、誤認を防ぎ、事故の防止や 犯罪の予防などに資する方向と、錯覚を積極的に利用することによって、目立つ標識の設計や、 やせて見える服装の設計などに資する方向の両方がある。さらにそれに加えて、錯覚がもたらす 不思議な感覚を芸術に利用する方向も考えられよう。

杉原 厚吉