錯覚美術館の見どころ

 2011年5月14日(土)から、毎週土曜日の10:00〜17:00に 明治大学錯覚美術館を一般公開しています。
 場所、行き方などについては、 錯覚美術館ホームページ をご覧ください。
 以下は、私の個人的視点からの見どころの紹介です。


展示のキーワードは「計算」

 錯覚作品を計算によって作るときには、錯覚の効果を予測できますから、それを自由にコントロールする こともできます。特に錯覚効果を最大化することによって、あなたの目は混乱するでしょう。





入り口ドアに仕掛けられたロゴ

 錯覚美術館のロゴマークが水平線とそれ以外に分解されて、入り口の二つの ガラスのドアに描かれています。自動ドアが開くと、それらが重なってロゴが 浮かび上がります。





床に埋め込まれた錯覚図形

 静止図形なのにゆらゆら動いて見える浮遊錯視の代表作「トゲトゲドリフト」(北岡明佳作)が 錯覚美術館の床に埋め込まれています。なにげなく足元を見てこれを見つけたとき、腰を抜かさない でください。





2010年ベスト錯覚コンテスト優勝作品の実物とトロフィー

 2010年5月に米国フロリダで行われた第6回ベスト錯覚コンテスト (6th Best Illusion of the Year Contest) で優勝し、初めてアジアにトロフィーを 持ち帰った不可能モーション立体を展示しています。手作りの素朴な紙細工ですが、 その素朴さと国際大会優勝との落差も楽しんでいただけるかもしれません。
 また、映像モニターには、不可能モーション新作集「不可能モーション3」も 流れています。



  何でも吸引四方向滑り台 (ビデオ)



自作の「エッシャー風タイリングパターン」を絵ハガキに

 オランダの版画家エッシャーの「空と水」(1938)という作品は、 空を飛ぶ鳥と水中を泳ぐ魚が「図と地の反転」錯視を利用して組み合わされた素敵な タイリングアートです。あなた自身が与えた二つのパターンをもとに、 「空と水」と同じ構造を持つタイリングパターンを自動生成するシステムを開発しました。 自由に図形を与えてあなた自身の作品を作ってみてください。それを絵ハガキに印刷 してお土産に持ち帰っていただけます。





写真家/デザイナーの高津央氏の写真とともに展示された不可能立体

 不可能図形のだまし絵を立体化した不可能立体も展示しています。立体のそばには、 高津央氏による幻想的な写真とイラストも添えてあります。





錯視デザイナー北岡明佳の作品がタペストリーに!

 数々の錯覚作品を世に出している北岡明佳の代表作を、タペストリーにしました。 錯覚美術館の中央に飾ってあります。大画面の作品から生み出される錯覚の迫力に酔ってください。





錯覚効果を自由に操作

 数学者の新井仁之は、計算で錯覚を自由に操ります。図形から、錯視成分を抽出し、 それを加工してからもとの図形に埋め込むという方法で、錯視量の最大化・最小化が できるだけでなく、どんな図形も(無地でさえなければ)加工によって錯視図形に 生まれ変わらせることができます。





画像を手品のように

 山口泰は、カード手品のように、画像を使って情報を出したり隠したりします。1枚の 画像が複数のものに見えるハイブリッド画像、2枚の画像から第3の画像が 現れる視覚復号型暗号画像などを体験してください。





道路傾斜錯視を解明して渋滞緩和へ

 友枝明保は、ドライバーから見た道路の傾斜の誤認(縦断勾配錯視)を、 道路模型を使って調べています。この錯視は、高速道路の自然渋滞のひとつの原因と なっていることがわかりつつあります。この錯視の仕組みを解明し、 ドライバーが傾斜を正しく知覚できる道路の設計法を確立することによって、 渋滞緩和へ貢献することをめざしています。





錯覚の日常生活での利用をめざして

 宮下芳明は、錯覚を日常生活やエンタテインメントに生かす 道を探っています。 たとえば、贈り物を包む包装紙に折り目の情報をいれて ラッピングの失敗を防ぎたいとき、主観輪郭線によって折り目を表す方法を 提案しています。これによって、包装紙のデザイン性を損なうことなく 折り目情報が表現できます。





色の不思議をコマで体験

 植田一博と福田玄明は、物理的はない色が見えてしまう色錯視を、 研究しています。この二人が発見した新しい色錯視を 卓上扇風機に取り付けたコマで体験してください。




CREST「数学」領域「計算錯覚学の構築」